たびびとネットコラム

「会員登録はするべきか」


旅行代理店に限らず、インターネットショップでは、多くは会員制を採用している。さらに、この会員制がインターネット取引の標準になりつつあるのはなぜでしょうか。
私はその理由について、インターネットの世界でショップとユーザー両者に利益をもたらす仕組みである点に注目しています。

・ショップのメリット
ショップにとって会員制のメリット、それは提案型の広告配信とリピーターの獲得です。
1度会員登録したユーザーは、次回もそのサイトを利用する確率が高いことは統計的に認められています。旅行業界について言えば、会員の休日の過ごし方の選択肢に、あたらしく「旅行する」という項目が追加されるというメリットがあります。つまり、いままで年に1〜2回だった旅行の回数が3回、4回というように市場の拡大につながっています。
顧客が訪問するのを待つだけではなく、、ショップから会員に対して、メルマガなどでアクションが取れることも重要なポイントです。

すなわち、企業の売り上げの増加につながるわけです。

・ショップのデメリット
ショップにとって会員制のデメリットはなんでしょうか?
これはリスクとも言えます。会員を抱えるということは、運営費が必要であり、そのためにはそれを上回る利益を得ることが前提です。もちろん、会員を増やすことは容易ではありません。

つまり、ショップは、会員を確保するために、魅力的なサービスを提供し続ける必要があるのです。偽りや大げさな広告で一時的に会員を確保しても、ユーザーはリピーターにならないため、まったく利益を生み出さないからです。

ここに、ユーザーにとっての最大のメリットがあると言えないでしょうか?

・ユーザーのメリット
ユーザーにとって会員制のメリットは魅力的な会員特典にあります。これは、先ほど述べたように、ショップが魅力的なサービスを模索し十分なメリットをユーザーに提供しようと努力した結果とも言えます。
会員だけの特典が魅力的であればあるほど、会員数は増加します。それがショップの利益を増やし、大きなループとなって双方に利益をもたらし続けるのです。
その特典は、時には割引であり、時にはプレゼントの抽選であるでしょう。旅行をするとポイントが増え次回の割引券になる場合もあるかもしれません。いずれにせよ、そのショップ独自のメリットを会員は確実に受け取ることができるでしょう。

このように考えると、会員制と会員制でないショップとの間に明確な差が感じられるのではないでしょうか?
会員制のショップは、次回も利用してもらうために、会員が旅行から帰っても満足するように確実に努力しています。それは価格についてであるでしょうし、便利な手続きや手厚いサポート、宿泊施設の信頼性に現れるのです。
会員制でないショップでも、もちろん顧客獲得の努力をしているのは間違いありません。しかし、そういうショップを訪れるほとんどの人は不特定多数であり、それに対応した運営をしています。この運営方法は、常にユーザーに利益をもたらすばかりとは限らないのが現状です。

次に、無料会員制と有料会員制について考察してみます。
単純にどちらがいいの?と聞かれた場合、無料会員の方が良いと私は答えます。
そこにはメリットが確実に存在するからです。
たとえ利用せずとも、投資をしていない以上、損をしないためです。
もちろん、無料会員制は多数の会員を獲得します。そして、その中からリピーターを作るために様々なメリットを提供します。
リピーターの増加が意味するところは、顧客満足度の高さです。ユーザーはそのショップに魅力を感じ、次回もそのショップを利用しているのです。
では、有料会員制はどうでしょうか。無料会員に比べて有料会員を得ることがどれだけ難しいかは当然ショップもわかっています。有料会員の目的とするところ。それはつまり、優良リピーターの獲得です。有料会員の特典は主に価格割引率アップです。会員は会費以上のメリットを得ることが前提で入会しているでしょう。それは頻繁に利用する顧(多額のお金を落とす)客です。ショップはそんな旅行好きの優良ユーザーを獲得できることになるため、そこに両者のメリットが存在します。

さて、これまでにユーザーのデメリットについては、述べていませんでした。
特に大きなデメリットが思いつかないからでもあります。また、ユーザー側のデメリットは人それぞれに違うからでもあります。たとえば、会員登録したショップから興味のない旅行情報のメルマガが配信されることをメリットと感じる人もいれば、その手のメールをデメリットと感じる人もいることでしょう。

共通したデメリットが存在します。
その理由は、プライバシーや個人情報の流出に対する警戒でしょう。
インターネットショッピングに未だ抵抗のある人が多いのもすべてはここに原因があると言えます。
ニュースなどで、顧客データ流出の事件が流れているのも事実ですし、100%安全とは言えないのも確かです。
これについては、別のコラム「危険?なインターネットショッピング」で考察したいと思います。

長々と会員登録について考察してきましたが、ここで述べたことは会員登録制に関する一側面のみであるかもしれません。ショップの取り組みをマイナスイメージで懐疑的に考えると、まったく逆の理論も成り立つからです。
それでも、数多く乱立するインターネットショップの中から、あなたがショップを選び出す上で、このコラムがヒントになれば幸いです。

2003.5.24 (kafka)

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